婚姻中の相手方からの暴力
DV被害・子供への暴力
夫婦の一方からの他方への一方的な暴力は、民法第770条1項第5号の「継続しがたい重大な事由」になります。
当然のことながらDV被害にあっているのが夫婦間の子供であるならば、他方が子供を医療機関に連れて行き医師の診断の元「診断書」を元に離婚調停・離婚審判・離婚裁判等をなせば、子供の身体保護の見地からは素早い離婚に至ると思われます。
しかしDVの被害者が夫婦の一方、もしくはどちらもが暴力を振るうような場合には当然ですが「法は家庭に立ち入らず」・「「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と世間(社会や警察)から相手にされません。
何年も昔のことですが、ご相談を受けた奥様が夫に殴られたと言って来社されましたが、言葉の切れが悪いので、「何か言っていないことがありませんか」と訊ねたら「殴られてムカついたので掃除機のパイプで夫を殴ったらあばら骨が折れた」との返答・・・・・
このような立派な傷害行為でも、夫婦間での出来事で当事者が事件にする意思がなければ、犯罪とは言えず、また犯罪にもなりません。
しかしこの奥様は離婚しました。なぜならば、この夫は子供にも暴力を振るったからです。
暴力には若い頃から免疫があった妻でも、自分を守ることが出来ない子供に対する暴力だけは見逃す訳にはいかなかったのは当然でしょう。DVを原因に離婚を要求される側は、総じて理性的な協議が出来ない方が多く見受けられます。
結果的には調停・裁判まで行かざるを得ず、その間の被害を受ける側の身体的安全の手配(DV法に基づく保護手続き・刑事事件等)の大変さ、また裁判所から判決を貰っても相手からの攻撃が必ず終るとは限りません。そのような場合には警察、弁護士、裁判所等あらゆる関係先に積極的に協力を求め粘り強く対応するほかはないでしょう。