慰謝料金額の不明瞭
なぜ慰謝料金額は簡単に算出できないのか
慰謝料請求権は、前述した通り夫婦の一方もしくは双方がその共同生活や信頼関係を破壊するような不法行為をなしたことにより、その精神的苦痛をの対価として請求できるものです。そしてその請求原因の典型的な例が、浮気、不倫、暴力、遺棄等々です。
また上記に当てはまらない、共同生活を円滑に継続することが、著しく困難な状態(ギャンブルにのめり込んで仕事をしても家計はいつも苦しい)とか(子供が生まれたら夫・妻の態度が極端に変化した、セックスレスになった)等。家庭ごとに家庭内トラブルの種類も事の大小も違いますので、相場表もありません。
そして貴方が請求しようとしている慰謝料の本質は、すでに終了している不貞行為についてなのか、まだ現在進行中のものなのか、進行中であるならば不貞行為が始まった年月(期間)と回数(不貞行為の回数)を現在までの婚姻期間等を考慮に入れて計算し妥協点を探らなくてはなりません。
ゆえに画一的な計算式が無いために、請求する側は、どうせ減額してくるだろうと世間相場以上の若しくは相手側が支払いに困窮するほどの慰謝料請求に走りがちです。当然に支払う側にも生活がありますから、限度を超えた請求は受け入れられるものではなく、当事者同士が「この支払い金額で納得してくれるのだから」・「この金額を払ってくれるのなら」とお互いが譲る心がないと慰謝料という金額は、いつまで経ってもその数字が確定に至りません。